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2012年8月17日金曜日

3.11前(1974-)の海水中のCs-137とSr-90


図1

 解説 
この図は、日本各地の海水1リットルあたりに含まれるCs-137の量について、1974年度から2009年度までの変化を表しています。Cs-137濃度はゆるやかに減少していましたが、1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故の影響により一時的に増加しました。2010年3月現在、海水中のCs-137濃度は1970年代の1/2程度のレベルです。出典: 文部省 日本の環境の放射能と放射線

図2
 解説 
この図は、日本各地の海水1リットルあたりに含まれるSr-90の量について、1974年度から2009年度までの変化を表しています。Sr-90濃度はゆるやかに減少しています。2010年3月現在、海水中のSr-90濃度は1970年代の1/3のレベルです。出典: 文部省 日本の環境の放射能と放射線


1. 不連続性


原発事故以前は、海水中のCs-137, Sr-90は 10 mBq/Lを下回り、下降を続けていました。

また、当時は感度よく測定されていたことがわかります。 最近ではこのレベルだと不検出ということになっている。測定方法がおそらく違っている(過去は濃縮して測定していたはずだが今はそうでないのかもしれないと思っている。調べたらまた報告したい。) きっと、測定の仕方も3.11以前と以後の世界では違うということを意味しているようです。

次のような数値もあります。 
3.11以前の日本の津々浦々のSr-90測定値は、1~2 mBq/L であったのだ(単位に注意)。


表 1 海水中のSr-90の調査地点と測定値(2009年度 年間平均値)

(単位:mBq/L)
都道府県名調査地点測定値(平均値)
北海道余市湾1.2
青森県陸奥湾, 深浦沖1.4, 1.4
岩手県九戸郡種市町沖1.1
福島県原釜沖1.1
茨城県東海沖1.5
千葉県袖ヶ浦沖1.4
神奈川県小田和湾1.3
新潟県新潟沖1.6
愛知県小鈴谷沖1.1
大阪府大阪湾1.4
山口県阿知須町沖1.0
福岡県門司沖1.3
鹿児島県南さつま市万之瀬川沖1.2
沖縄県ホワイトビーチ沖0.93

   出典: 文部省 日本の環境の放射能と放射線


ところが、3.11以後次のようなことになっている。 




http://radioactivity.mext.go.jp/old/en/1600/2011/09/1600_091710Sr.pdf

元の図を見て欲しい。福島第一原発沖でSr-90はほかの核種とともに不検出となっているが、実は、検出下限は20 mBq/Lで測定しているのだ* ごまかしも良いとろこだ。

3.11以前以後で継続性がない。これで国民に安心や信頼を求めるのはどうかしている。


*2012/08/18 訂正 20 mBq/Lであって、20 Bq/Lでない。

2. 食品安全基準は正当化されるか

図1と図2を比較して欲しい。3.11以前 海水中のCs-137とSr-90の濃度比は10倍もいかない。現在、釣った魚は曲がりなりにもCs-137を測定しているが、Sr-90はほとんど測定していない。Sr-90の量はCs-137から推算出来ると考えているらしい。実際には、食品の新安全基準を定めるのに、Cs-137とSr-90の比を 1.0 : 0.003 としているそうだ(http://www.acsir.org/info.php?15)。

こんなことで食品安全基準は正当化できるのだろうか。



追記

2012/08/18 11:01
東京都は「島しょにおける海水の放射性物質の測定結果について(第5報)」を公表しているが、そこでの定量下限値1.0 Bq(ベクレル)/キログラム未満を「不検出」としている。しかし、図1を見ると、3.11以前は 1 mBq/L(= 0.001 Bq(ベクレル)/キログラム)でも測定していたのだ。 いろいろな要因があろうが、3.11でおこった不連続性が見て取れる。 3.11前に築かれていた社会的な常識が意図的に、あるいは、やむをえず崩れて行っている。






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